作者の率直な苛立ちと理想の物語像への渇望が、非常に人間味をもって伝わってくる文章、であると思いました。ライトノベルあるあるの「都合の良い展開」や「インスタントな恋愛」に違和感を抱く感性は、創作に対して誠実、であることの証拠なのかなとも私は勝手に思います。文中の自己ツッコミや自嘲的なユーモアが、単なる批判ではなく「自分もその輪の中にいる」という客観性を与えています。客観性のある文章は、人の心に響きます。私の心にも響きました。創作と読書の葛藤を正直に綴った好文だと思います。同じ気持ちの人、実は多いはずです。
苛立ちをユーモアと論理で編み上げる。読者の感情に寄り添う、美学と誠実のエッセイ。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(98文字)
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