概要
古都プルシェでは王子の成人の儀があって、名だたる舞踏音楽団たちが集まっていた。
一座きっての舞姫でもあるプロムも舞の稽古に励んでいたがどうやら理由があるようで――。
「フィン」の選択する道はどこにあるのか。「フィン」の明日はどんな明日がくるのか――
それはまだ、わからない。
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- ★★★ Excellent!!!少年の吹く笛が聞こえる
冒頭、ひっそりと降りしきる雨。
石を打ちつける音、流れ落ちる赤い血。
顔の見えない描写が続きます。
何が起きているのか読めないまま、読者は物語の中へと誘われていきます――
情景はいっぺんに変わり、そこは音楽舞踏団の青空食堂。
「おーい! フィン! はやくスープ!」
「もうすぐ!」
みんなの食事の世話をする少年フィン。
笛吹きのユアン。
そして、舞の名手である少女プロム。
フィンはもともと笛の上手な少年でした。
腕を見込んだノエラ長老が楽団に招いたのです。
しかしフィンは、来る途中に乗っていた馬車の事故で手を負傷してしまい、二度と笛を吹けなくなっていました。
「ねえ、ひかりの森って知…続きを読む - ★★★ Excellent!!!彼らは未だ、森の中で光を……
ひかりの森、というものがあるそうです。
そこは、女神様が、誰でも幸せになれる場所を用意してくれている場所のことを指すそうです。
「彼」は、常にそこを探していました。『まだ何者でもない彼』は……。
冒頭は、血生臭いシーンから始まります。雨の中、大きな石で何かが何かを殴っています。
そいつの存在を、なんとか消し去るために。
とある城では、王子の成人の儀にさまざまな楽団が集まり、いわゆるフェスティバルが開かれるそうです。
フィンという少年がいる楽団も、それに参加するよう。
しかしフィンは雑用係。笛を吹きたいのに、雑用係。今日も肉体労働に従事します。
本当は実力があるの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「小さな希望」でも必死に縋り、懸命に生きる彼ら。その姿に胸を打たれます
出てくるみんなが本当に健気で、切ない気持ちにさせられました。
主人公フィンは旅芸人の一座で働いている。「フィン」はかつて笛が上手だとされていたが、ある時に事故に遭ってからは笛を吹くことが不可能になっている。
そんな葛藤を覚える日々を送りつつ、同じ一座に属する舞手のプロムと一緒に過ごす時間を送る。
プロムがどうしてそんなに舞に力を入れるのか。誰かに見初められるのを目指しているのかとフィンはひねた想いにも囚われそうになる。
やがて、プロムの真意を知ってから、フィンは心を揺さぶられることに。
フィンもプロムも、旅芸人の一座という決して楽ではない生き方を続けている。この先も立身出…続きを読む