自然と口角があがって嗤顔(※笑顔ではない)になれる素晴らしい作品

少し(良い意味でも悪い意味でも)イッちゃってるキャラクターを一人称視点で描かせたらカルロ・ゼン氏の右に出るものはいないでしょう。

今回の小説では、言葉の節々に滲み出るそのヤバさが素晴らしい。
巡り巡る思考と、そこから導き出される如何にも愉しそうな結論。
読者は狂人の思考を追体験できます。
恍惚と高揚感が得られること間違いないです。

そんなカルロ・ゼン氏のスタイルにハマってしまったら最期、もう抜けだせません。他の著者では物足りなくなってしまいます。

是非ご一読を。
そして読み終えた後、鏡で自分の顔を見てみてください。
右か左かどちらかの口角が釣り上がってきっと素敵な『嗤顔』になっていますよ。
純真無垢な『笑顔』が遠い彼岸の彼方に押しやられること間違いありません。
ようこそ、カルロ・ゼン氏の世界へ。
ようこそ、狂気の世界へ。