神社合祀奇譚―焼かれる神と鈴の音―

作者 ハコ

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★★★ Excellent!!!

山に潜った男の話です。

描写が丁寧ですね!

この短編の中にはその光景をイメージするための説得力がいくつもあります。

そしてしびれたのは最後のオチ!

哀愁漂うセリフ、そこにいきつくまずい煙草の味、くせになりそうな読後感を覚えました。

次の話にも期待して、星3つ送らせて頂きます。

★★★ Excellent!!!

明治時代、廃仏毀釈。
仏寺が壊されたのみならず、
各種神社は一緒くたにされ、
古くからの信仰は曲げられた。

役人、青山は祠を訪ねる。
オツネ山のコンコン様、
狐だか何だかを祀ったその場所で、
不意に響いた鈴の音。

夢か現か、時の流れの歪曲か。
青山が見たもの、感じたものこそ、
神と呼ぶべき存在だったのか。

幻想的でありながら骨太な、
近代日本の昔話。
こういう雰囲気、すごく好き。

★★★ Excellent!!!

『まんまんちゃん、あん』←『なんまいだ』←『南無阿弥陀仏、あな尊し』らしい。
仏教用語になるのだろうが、神棚に向かっても同様に拝んできている。
でもそれが仏サマへなの神サマへなのか、どういう仏サマなのかなんて名前の神サマなのか、それすら考えたこともなく使ってきている。

大仰に仏教だ神道だの一切合切を、どこまで知って日々暮らしているだろうか。
たとえば自分の氏神様の名前を言える人がどれくらい居るのだろうか。

それを不敬とするのではなく、よくわからなくて畏れ多く尊く、見えずに感じるもの、として扱うのが多くの日本人の宗教観なのだろう。

今 多くの新興宗教が栄えるのは、古くからの宗教が形だけ整っていて、人間の心に触れるものが無くなってきているからなのか。

書物に残そうがデジタルに残そうが、神仏習合本地垂迹が今後も起きようが、きっと神サマ仏サマの名前と貌は失われていくだろう。
だからこそ、『まんまんちゃん、あん』と敬うこと続けたい。
嫉妬深くて短気で怒りっぽい、ニンゲンくさい神サマ方が大好きだから。

★★★ Excellent!!!

葬り去られた神(この表現は適切ではないのですがネタバレ防止と言うことで。。。)を題材とした幻影的な小説でした。

日々何気なしに通り過ぎる祠、或いは神社にどれだけの人の思い、そして歴史がつまっているのかを考えさせられます。

柳田国男や宮本常一、特に泉鏡花などの本が好きならば是非ご一読をおすすめします。

★★ Very Good!!

 明治末期、国家主導による神社合祀を題材に、青年の不思議な体験をつづった物語。
 彼の会ったモノはその後どうしているのか。
 消えてしまったのか。
 それとも案外元の場所で人間に舌を出しながらのほほんとしているのかもしれない。
 いろいろとその後を想像するのもこの作品の楽しみ方なのやも知れない。