まずは問いたい。作者よ、貴方は何者なのかと。

端的に言って、傑作だと思いました。感染病を軸として描かれた未来の地球の(約)百年史。
深い洞察、緻密な構成、超越した俯瞰力。それにしても作者の幅広く深い知識には驚かされました。政治、歴史、民族、宗教、地理、経済、科学、物理、医学これらをふんだんに織り込んだ物語をネット上に惜しげもなくさらすなんて。
書き込まれた作品は軽く読めないというジレンマを孕んでいるわけですが、ぜひとも8話まで読んでいただきたい。そこから先はもうノンストップです。

読みながら、少し既視感(良い意味で)を覚えていたのですが、ようよう何か思い当たりました。古川日出男氏『ベルカ、吠えないのか?』。あの作風が好きな人には堪らないと思われます。(失礼に当たりましたら、申し訳ありません)
読了するには時間がかかる、けれどじっくり腰を据えて読んでいただきたい。どうぞ8話まで読んで! それにしても、公募には出さないのでしょうか。本当に凄い作品です。

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