これほど読み応えのある小説は、書籍でもそうそうありませんぜ!

遠い未来から時空を越えて現代に訪れた、五名の使節団。受け入れたアメリカで彼らがタイムトリップしてきた理由が明かされる。そこから壮大なスケールの物語が始まった……

これは書籍として販売されていてもまったくおかしくない、とてつもなく面白いSF小説です。むしろWeb媒体よりも、紙で是非とも拝読したいという欲求が起きております。この作品の設計図があるのであれば、物語の何倍、いや何十倍とも思える量なのではないでしょうか。
「時のロープ」、タイトルの意味するところに、本作のキーポイントはあります。とんでもない大河ドラマです。いや、フィクションと言うよりも、ノンフィクションではないかと疑うほどのリアルさ。もう圧倒されております。でもこの小説を拝読できたことが、とても嬉しいのです。

登場人物はかなり多めですが、ひとりひとりの履歴書まで作られたのではないかと思うほど、きっちり役をこなしております。ですから途中でこんがらがることなく読み進めることができます。血の通った登場人物が見事に描き出されております。

伏線やアッと驚くどんでん返し、それも巧妙に張り巡らされており単なるハードSFではありません。読み物としてこれほど手応えのある作品はそうはないでしょう。

なぜこの作品がもっと読まれないのか、不思議です。声を大にして言いたいです。この作品を読まなかったら、もったいないです!

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