読み応え抜群!超重厚SF小説

こういう小説が読みたかった!
人類を滅亡に追いやりつつある疫病の設定、SFではおなじみながらこの作品に登場する疫病の存在と上手く調和させている冷凍睡眠や人口胎盤といった設定、まるで現実世界の延長線上にあるかのような国際情勢設定、各国政府の内情、そしてタイトルとも関わりのあるパラレルワールドの設定、いずれも非常に緻密かつ丁寧に描写されており、読後はまるで自分が本当にパラレルワールドを覗いて来たような気分にさせられます。
ご都合主義や脇の甘い突っ込みどころは一切ありません。
また、度肝を抜く展開や細かい伏線が待ち構えています。
よって読み手にも気合が求められます。
が、それでも一気読みできてしまうほどの読み応えがこの小説にはあります。
映画にしても、小説にしても、妥協無く丁寧に練り上げられた作品というものは情報量が多く体力が要りますが、鑑賞後の充実感は他では換えられませんね。
ライトノベル系のSFじゃ満足できない方に是非勧めたい作品です。