概要
少女は「生きている物語」を「正しい結末」に導くため、あてのない旅に出る
第一回 カクヨムWeb小説コンテスト 特別賞頂きました。2017年1月14日刊行、発売中です!
寂れた図書館の隅っこで古い童話本に飲み込まれた少女は、「グリム」と名乗る男に本の修復を依頼される。
「現実に戻る方法は一つ。入り込んだ物語を完結させること」
物語は、白雪姫、眠り姫、人魚姫――のような有名な童話だけだと知らされて、少女はほっとする。
ばらばらになった紙芝居を、元に戻すようなもの。パズルみたいに簡単なことだと思ったのだ。
だが、男は嗤って続けた。
「ただし、ね?」
過酷なルールの宣告とともに、物語の中に落ちた少女は、
「生きている物語」を「正しい結末」に導くため、あてのない旅に出る事となるのだった。
――これは、本と物語を厭う少女と、物語に囚われた男の奏でる
寂れた図書館の隅っこで古い童話本に飲み込まれた少女は、「グリム」と名乗る男に本の修復を依頼される。
「現実に戻る方法は一つ。入り込んだ物語を完結させること」
物語は、白雪姫、眠り姫、人魚姫――のような有名な童話だけだと知らされて、少女はほっとする。
ばらばらになった紙芝居を、元に戻すようなもの。パズルみたいに簡単なことだと思ったのだ。
だが、男は嗤って続けた。
「ただし、ね?」
過酷なルールの宣告とともに、物語の中に落ちた少女は、
「生きている物語」を「正しい結末」に導くため、あてのない旅に出る事となるのだった。
――これは、本と物語を厭う少女と、物語に囚われた男の奏でる
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!新感覚改変おとぎ話
童話パロや改変ものは大好きで良く読むんですが、ヒロインのユウキが色々と試行錯誤しながら、堅実に体当たりでもするような身体の張り方で物語を変えていく流れは王道なのに不思議と見たことがないなあって思わせる作品だったと思います。
ユウキは序盤色々自分でも悩みを抱えていながらも、あまりひねていなくて一生懸命で、自分の思うように行動し、見たもの聞いたもの感じたものを親しみ深く綴っていく様がとても好感の持てるヒロインでした。
都合のいいようにしようとすれば、この世界はユウキだらけになってしまう。というカエルの王様の辺りの一文は創作かじってる人でも読者でも頷ける話だなあと思います。
王子への想いに揺…続きを読む - ★★★ Excellent!!!運命の人は童話の中にいた
良い意味でネット小説らしくない、安心して読める作風。
異世界転移ものはそれこそ星の数ほど世にあるけれど、この物語の特徴は元の世界に帰る条件が最初から提示されていること。そのため主人公のユウキは常にこの条件を気にしながら進んでいくことになり、一種のスパイスとなっている。
元の世界に戻るため童話を完結させなければならないのに、水も食料もない森に放り込まれた危機的状況はまさにサバイバル。
そんななかでユウキが唯一頼ることができるクリスの存在は大きい。見た目は絶世の美少女、でも火付けから魚とりまで何でもこなすサバイバル能力の持ち主で、その男前ぶりには読んでいるこちらも惚れ惚れしてしまう。恐ろしい1…続きを読む