意欲的な作品。芸術より哲学に挑んだのだ、と思う。

前半では退廃的な世界が描かれる。時にドキッ‼︎と驚愕するようなシーンもある。ウキウキはしないけど、不思議と嫌悪感も抱かない。
あなたも読み始めると同意してくれると思うが、「作者が如何なる結末で勝負を挑んでくるのか⁈」に期待を膨らませてしまうのだ。読ませる作品だと思う。
その結末には賛否両論あるだろう。
私は「SFだもんな」と妙に納得した。このニュアンスが閲覧者に上手く伝わらないとも思うが、「行き着く先まで辿り着いた世界って、こうだよな」と、まぁ冷静に読了した。
考えてみると、この手の作品は書き上げるのが難しい。作者が狂人でなければ新世界を描けないだろうし、仮に狂人だったら凡人の読者に作品を理解されないだろう。そう言う意味で凄く挑戦的な作品だと思った。

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