概要
考える意志がなくなった時、人は人でなくなるのか――
世界のほとんどの人々が利用している『ゼウス』プログラム。
自分の脳に埋め込まれたそのプログラムは、知りたいことを何でも教えてくれる、正に全知全能と呼ぶにふさわしいもの。
そのプログラムの利用者である一人の男性、閏伊織の元に一人の少女が姿を現した。
少女が突然現れた理由、そしてゼウスプログラムに隠された秘密に迫ることになった彼の物語。
自分の脳に埋め込まれたそのプログラムは、知りたいことを何でも教えてくれる、正に全知全能と呼ぶにふさわしいもの。
そのプログラムの利用者である一人の男性、閏伊織の元に一人の少女が姿を現した。
少女が突然現れた理由、そしてゼウスプログラムに隠された秘密に迫ることになった彼の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!意志の存在証明をされた気分
物語は終盤にさしかかるに従って急激に加速していく。家出中と申し出た少女、女性秘書、最愛の妻、無二の友人……
影響を受けたであろう作品の影も垣間見えるが、物語の終着へと上手く収束していった、そんな印象を受けた。心地良い読後感である。
SF界隈、最近では特に故・伊藤計劃氏が描いて見せた魂の重さについて考える機会が多いと感じている。例に漏れず私もその一人であるが。
人の意志の問題というのはたびたびディストピア的世界観によって語られるが、突き詰めると人権問題というところにまで切り込める深いテーマだと思う。この『全知全能のプログラム』という物語もそれを熟考する上で一つのきっかけになるのではないだろうか…続きを読む