それでも君は、『ジャンピング・ジャック』に頼らず生きてけるのかい?

 まず最初に、この作品に出会えたことを喜びました。

 そして次に、もっと早くこの作品に出会えなかったことを嘆きました。

 『青春』と『ミステリー』という二つのワードは案外親和性が高いですが、この作品はその要素をさらに高い次元で昇華し、まとめあげられていました。
 しかし本当に凄い部分は、安易な『青春』という言葉を、何処までも痛々しく、瑞々しく、青々しく、そして輝かしく描写されていることです。
 主人公の時に暗い感情も、登場人物の激情も、謎の真相が語る悲哀も、しっかりと描かれながらそれが最後に影を落とすことなく仕上がっていて、読後の余韻にどっぷりと浸ることができます。


 どうか最後まで読んで、『ジャンピング・ジャック』のゲームに奔走してください。

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