【三文夜話】トイレの神さまの怨み節

軽妙な語り口で紡がれる夏の怪談話。
山と山の間にある古びた民家で、孤独に暮らす老婆。年季の入った和式便所が割れ、仕方なしに町から業者を呼ぶ。
高額な請求書、三ヶ月という保証期間。
しかし何より怖いのは、便所に宿る神のご機嫌。
まだ足りぬ、と。

　軽妙な語り口で描かれた怪談話です。読むのが辛い時でもすらすらと読めます。
　怖いというよりも、どこか滑稽なものを感じさせるのが良かったです。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（218文字）

軽妙かつテンポよく、流れるように語られるお話。

読み始めると不思議、まるで寄席に来たかのような錯覚を覚えました。

オチの付け方も拍手。
この寄席、また来たいです！

神さまという偉い方々も、いろいろなところにいらっしゃいまして……。
このお話は、怪談でありながら、実に軽妙な語り口？　筆の運びで。話が進んでゆきます。
短編でございますので、長々とこのレビューを読んでいるよりも、是非、お話へとお進みください。　おすすめでございます！

新進気鋭の噺家だってね。
それは楽しみ、一体どんな出し物だろう。
怖い噺を語る…って、そりゃ如何にも

　今時分には持って来いだ。

夏の盛りも稍も過ぎて、暦の上では立秋。
少し寂しくなって来た…そんな

山中の古びた一軒家に棲む、老婆。

親族からも疎遠にされて、これといった
娯楽もなく、只独り日々を過ごす中で

　晴天の霹靂　とは、これ如何に。


言わずと知れた作者の物語の構成の妙味を
たっぷりと味わえる、この掌編。

　　本当に　怖いモノ　は一体何なのか。

まさに三つ巴の様相を呈する。読み手に
よっては　怖いモノ　が全く別の貌で
不気味に微笑む。
　眞っこと、見事な怪談噺。
送り出…続きを読む

面倒だったり汚いなぁって思って、トイレ掃除を避けてませんか？

そのトイレに対して、トイレの神様は、どう思うでしょうね……