森でクマに出会った恋人探しから、火星で重力に抗う僕たちまで。この短歌は現実と妄想を自在に行き来する。「君の目の青い虹彩煌めいて殺人ビームが僕を撃ち抜く」の一首に、恋の破壊力を見た。私もまた、この短歌の中で踊るプランクトンになりたいと思った。
ドキッとしたりふふっとなったりどれも心を動かされる歌です!
軽みの利いた短歌8首です。上の句から下の句へ流れていくときに、うつくしいねじれが生まれて、いわゆるオチへと着地していくのです。ティラノサウルスが出てきたかと思ったら、プランクトンが出てくるので、大きなものから小さなものへの幅が魅力の一つでしょう。そのほかにもSFや社会風刺など、作風の多岐に渡る秀逸短歌集です。
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