概要
彼の密かな帰還と、国で最強を誇る女将軍との出会いによって、王宮内外に不穏な空気が流れ始める。
ペーパーオペラ風小説。(一場一場が長めなので、ご注意ください)
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!暁ミラ先生の贈る傑作、ここに堂々完結!
皆さんは、『ニーベルングの指環』というオペラ作品をご存知でしょうか。
ドイツのオペラの巨匠リヒャルト・ワーグナーが26年にわたる長い歳月をかけて創り上げたオペラ史上最大級作品です。
この舞台芸術は、上映に15時間を要する大作で、かくいう私も作品を鑑賞したことはないのですが…。それは取り敢えず置いておき(詳しくは暁ミラ先生の近況ノートへ)、この物語は、この歌劇を元に生まれた壮絶な作品なのです。
作者である暁ミラ先生は、ドイツ文化への深い関心をお持ちであり、そこから得た知識を元に『闇の太子 ~Der Kronprinz des Finsternis~』の世界観を練り上げられました。これは、『ニ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!要約不可の不朽の名作の誕生!ヴィーナスの誕生をあなたはここに目撃する!
女の情念と詩情を書かせたらこの世に右に出る者なしとの評判高い暁ミラが遂にベールを脱ぎ捨てた!!
要約不可の名作誕生である。その心は、1文字も無駄はないから、要約することが出来ないのである。
しかも、本編を読んでいくと、オペラから着想を得た劇的ドラマチックな展開あり、本人が得意とするドイツ文学への深い造詣から、時に詩情豊かなドイツの詩も本編に織り交ぜながら色彩豊かな物語を紡いでいく。織り上げられた物語は巨大な美しい芸術的タペストリーのようである。しかも、オトナの男女のこれまた美しい、それでいて、あくまで美しい官能的描写まであり、まるでこの作品を生み出した作家 暁ミラの初めてとなる完結作の誕…続きを読む - ★★★ Excellent!!!余韻たっぷりの物語
この物語、始まりは霧のクレールラント山。
ひんやりした朝の空気の中、ふとしたきっかけで交差する運命を思わせる雰囲気が良いです!
そこから舞台は華やかな舞台へ移行し、とにかく登場人物が生き生きしていて、一つ一つの場面がすごく丁寧。
どのキャラクターも秘密を抱えつつ、会話やちょっとした仕草の中に、それぞれの想いや背景がちらっと顔をのぞかせるのが上手いです。
山の静けさも王宮、街のの喧噪も、読みごたえがありますねー!
文章の美しさも抜群!台詞のテンポも軽やかで、詩や歌が自然に入り込んでくるところも、物語に独特のリズムが感じられて凄く好きです。
読み進めていると、難しい言葉や歴史の重みがあ…続きを読む