かぎられた情報しかない文面。書き手の主観にすがるしかない状態。ちいさな穴から暗闇をのぞくような、もどかしくも不安な展開をたどるうちに……ほら、あなたの後ろに、瓶をもって、誰かが立ってはいませんか……?
単身赴任の夫への愛情たっぷりなお手紙が詰められていました。爽やかなコメディのようにサクッと読み進めていましたが、気が付いたらやはり尾八原先生らしい素敵な怖い話を読まされておりました。このマンションに住むのはとても怖いのですが、素敵な奥様と文通友達になりたいです。
煮詰めてこそジャムですし。単身赴任中の斎さんへせっせとお手紙を書き、せっせと幽霊を瓶に詰める、働き者のお話です。おぞま可愛らしい読み味。やっぱりギュッと濃縮すると、そこらの幽霊でも一味違いますね。
はじめはちょっとコミカルにはじまる単身赴任の夫への妻からの手紙が日常モードのまま不穏になっていって そしてでも基本はこのかたこの調子でずーっといきそうなのがじわじわきました
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