婚約者である王子との口論の末に、処刑されることになったオリヴィア。しかし彼女が受ける処刑はただの処刑ではなく、『聖剣』による『審判の刑』。もし彼女が潔白ならば、その死体は腐ることがなく100日後に復活するというのだ。そして心臓に剣を刺された彼女の亡骸は何日たってもその美しさを保ち続ける……。
彼女の死体がいつまで経っても変化がないことに焦り出す王子とその恋人。さらに彼女の生前の手記まで発見されたために、ある一人の人物までもがオリヴィアの復活を恐れる事態に。その一方で亡くなったはずのオリヴィアにもある心情の変化が訪れており……。
冤罪をかけられて処刑されるという設定だけ見ると、陰鬱な内容に思われるかもしれないが、処刑された当のオリヴィアがカラッとした性格をしているせいか、読み口は結構軽め。死の直前に残された手記の文章も大変明るい……のだが、その奥底に隠されていた本心はめちゃくちゃ重い……! このギャップがとても良くて、さらにこの重い感情を他人にぶつけるのではなく、自分で吞み込もうとする姿が健気で可愛らしいのだ。
こうして誰もが不安や困惑に陥る中で、ついに復活が約束された100日目がやって来る。オリヴィア復活の当日、彼らは何を目撃するのか!?
(「最近の悪役令嬢」4選/文=柿崎憲)