手紙 5

斎さんへ


 お元気ですか。単身赴任はどうですか。不便なことはありませんか。

 マンションの管理人さんが入院しました。無人になった管理人室を覗くと、うす暗い部屋の中に、わたしが持ち込んだ瓶づめがずらりと並んで、ときどき青白く光っているのが見えます。もう置く場所がないので、管理委員会の皆さんと相談して、幽霊の瓶づめは少しずつ、あちこちのおうちに引き取ってもらうことになりました。

 その割振りも考えないとならないので、最近は本当にいそがしいです。斎さんもいそがしいのでしょうね。全然こっちに帰ってこないけれど、無理はしないでくださいね。

 ではお元気で。


かの子より

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