概要
ふと気づくと、『俺』は記憶を失い、漆黒の空と不気味な赤い月が浮かぶ異世界で、実体のない「視点」だけの存在となっていた。音も感覚もない世界を漂う中、氷の大地で出会ったのは、アシカのような姿をした獣人――海獅子族の若者ガロ。彼に引き寄せられるように融合した『俺』は、ガロの身体に宿り、その感覚を共有する意識体アスタとして、新たな生(?)を得ることになる。
ガロは、大災厄によって氷に閉ざされ、他の集落との交流を固く禁じられた村で暮らしていた。彼は、かつて親の命を奪った凶悪な魔獣への恐怖を抱えながらも、「六つの世界が統合された」という神々の言葉を信じ、いつか世界を繋ぎ、来るべき危機に立ち向かいたいという大きな夢を持っていた。しかし、若く未熟な彼は、まだその一
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!海の人外ファンタジーストーリーとしてはおすすめの作品
ども、企画主催者のあんごらです。
まず一言でこの作品を一言で話すとすれば、想像とは違ってても癖のある面白い作品でした。
通常なら人外として一般的に知られているのは、狼や犬、猫そしてうさぎ等の「地上に生息する動物」です。
ですが、この作品は海の生き物である「アシカ」がテーマになっていることに驚きとワクワクが読むのにたまりませんでした。
実際、私も人外での小説を書いたり読んだりのですが上記に掲げた「地上に住む動物」オンリーなので想像とは違ったことに私も学ぶべき点かなとも思いました。
また、異世界への転生方法も読者を楽しませてくれましたね。
私が読むものとしては自分が何者かわかっていて、転生…続きを読む - ★★★ Excellent!!!海獣人(アシカ)に妖精、そしてRPGのような憑依型主人公が斬新!
異世界転生ものを読まない私が楽しめました。
氷に閉ざされた世界に、現地主人公に憑依する転生主人公という、ユニークな設定。
丁寧な描写が独自のファンタジー世界への没入感を高めてくれます。
とにかく海獣王ガロが可愛くて優しくて好感がもてます。
アシカって毛皮があるんですよ。知ってました??
他にも獣人がたくさん登場するので、それだけでウハウハです(๑♡ᴗ♡๑)
転生した主人公アスタにも謎があるようで……?
テーマも壮大で、まだ物語は始まったばかり。
六つの世界がこれからどう関わっていくのか、先の展開がとても楽しみです。
硬質で重厚なファンタジーを求めている方に、是非おすすめです。 - ★★★ Excellent!!!記憶と体を失い、精神体となった主人公は異世界で星の賢者として生きる
主人公は記憶と体を失い、とある若者の中に精神体となって入り込んだ。
そこは氷の大地に覆われた異世界の小さな村で、若者=アシカに似た海獅子族のガロは一つの身体に二つの精神が宿り、心の声での会話が可能といった状態になる。
ガロは主人公にアスタと名を付け、星の賢者として敬う。
アスタはこの異世界が大災厄に見舞われて冷えてしまったことを知る。
ガロが住む小さな村は、長老によって他の村との交流を禁じられていて、狭い地域だけで暮らしているが、アスタの知恵で干し魚を焼くと旨くなることを知ったときのガロのリアクションがとても良い。
しかし、ある日、ガロと共に暮らしている小さな妖精シエラに誘われ、ガロは…続きを読む