概要
カエルレア共和国とは、太平洋に浮かぶ島国で、かつて梓が高校生の時に留学した国であった。
再び訪れたカエルレア共和国で、梓は八年前と変わらない見た目をした少年ティオと再会する。
彼は、異能を使い共和国のために働く秘密諜報員で、密かに仲間を集めてある計画を企てていた。
これは、大人たちに虐げられてきた少年少女たちが、自分たちの愛と自由のために立ち上がり戦う正義の物語である。
※当作品はフィクションです。実在する人物や団体などとは一切関係ありませんのでご注意ください。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!踏みにじられた、子どもたちの叫び
太平洋に浮かぶ美しい島国カエルレア共和国。主人公の梓は高校時代に留学していたこの国の友人の結婚式に参列するため、八年ぶりにこの地に降り立ちます。
美しく、幸せそうに見えるこの国が、友人のミシェルの告白と八年前の留学時から成長していない不思議な少年ティオとの出会いにより、国家の陰謀に巻き込まれていく……!!
異能を持っているが故に人生を詐取され続けた子どもたちと、それを何とか助けたいと思う梓。
その壮大な物語はまるで映画を見ているかのようです。
美しいカエルレア共和国の風景が、よりこの国の闇を深くしてじわじわと怖さを映し出しているような気がします。
国も人種も生きてきた環境も違う梓が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鮮やかではない、けれど忘れられない色の世界。少年少女は何を選び取るか。
本作は【種】【花】【実】の三幕構成で、このレビューは【種】【花】までを読んだ時点での感想となります。
この二幕だけでも、ずいぶん印象の異なる作品です。【種】は物語の導入部。国際線の飛行機の機内で、主人公・梓が異国に暮らす親友から届いた結婚式の招待状を眺めていると、隣の席のロマンスグレーの紳士が外国語混じりに話しかけてくる――なんともおしゃれな幕開けです。無事に親友の家族の元へたどり着いた梓を迎えるのは、懐かしさと、そこはかとない不穏さ。その空気は、日常の中にふと忍び込んだ違和感として描かれていて、非常にリアルに感じられました。そして物語はある謎を追う展開へと転じ、サスペンスの趣を帯びてきま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたは、どんな大人になりたいですか? 壮大な異国風大河ドラマ!
まるで海外版の壮大な大河ドラマを見ている気分でした!
本作を読み、まっさきにそう思いました。
物語の舞台は、太平洋に浮かぶ島の、ある異国。
親友の結婚式のため、日本からその国へやってきた主人公の梓は、新婦である親友からあるお願いをされます。
それは「生き別れた双子の姉を探してほしい」というものでした。
ところが、このお願いをきっかけに、梓は思わぬ展開にまきこまれていくのですが――。
架空の国の物語なのですが、描写が緻密でとてもリアルな作品です。
そのリアルさもあいまって、序盤はミステリー風な展開がとてもドキドキしました!
ところが、中盤、終盤と物語が進むにつれてSFファンタジー(それも…続きを読む