質屋神。それは、人間をモノに変えてしまう神……という都市伝説。しかし、質屋『万城目(ひえぬき)屋』の子どもである七生(ななお)と七歩(かずほ)はまさにそのような存在、キリヤによって苦しめられていた。キリヤがあまりにも強力なので、異常事態に気づかれることすらない。気づいても、どうしようもない。最初は、読者もまたどうにもできない歯がゆさを感じることになる。けれども、物語はここで終わらない。希望は、確かにあるのだ。恐ろしい存在に、人間はどう立ち向かうのか。絶望の中の希望の物語、お楽しみください。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(208文字)
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誰が消え、誰が残るのか、人生の不条理と神秘が交錯します都市伝説の不思議な噂が日常を侵食し、「モノにされ」「記憶が消える」た異常事態が兄妹が家族も友達も失いながらも懸命に生き延びる姿は、胸を打ちます祖父の形見を守ろうと奔走するエピソード、椅子に縛られた人形の発見現実に戻る2人の穏やかな食卓風景が描写 秀逸です物語全体を通して登場人物の内面的な葛藤と、人の善意が印象的なファンタジーですみなさまもいかが?
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