概要
どんな問いにも『はい』と答えなくては――
私たち母娘が、実家に帰省した夏の夜。
娘が深夜奇妙な声を聞いたと怖がる。
私は声を確かめる。
声は何かを問いかけ、私は返事をしてしまう。
翌朝、実家の両親にその話をすると――。
娘が深夜奇妙な声を聞いたと怖がる。
私は声を確かめる。
声は何かを問いかけ、私は返事をしてしまう。
翌朝、実家の両親にその話をすると――。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!その「声」に、迂闊に返事をしてはならない
怖さ、不気味さの演出がとても素晴らしい作品でした。
まず舞台の設定が秀逸で、「真夜中のトイレへ向かう途中の廊下」となっています。これは多くの人間が人生で最初に遭遇する『恐怖スポット』であり、恐怖の原体験と結びついた場所です。
そうして読者は薄気味悪い場所のイメージを想起されつつ、作中で起こる怪奇な事態へ踏み込んでいくことになります。
主人公の身にそれから起こること、知らずに踏んでしまったペナルティ、課せられるルール。短い中で二転三転し、ぐいぐいと引き込まれていきます。
その先の結末もまたホラーとしての強烈な皮肉が効いていて、とても見事な仕上がりでした。
端正に計算されて書…続きを読む