どこか懐かしい、切ないSF

ひとりの女の子へ送られた、手紙の数々。

その使命感を賞賛する言葉もあれば、何故あなたがと苦しみを吐き出す言葉もある。
様々な思いを受け止め、手紙を読み進める主人公はどんな表情をしていたのだろう。

女の子の決意と行動は、確かに人類を救ったのかもしれません。
彼女と関係ない人々にとっては、この上ないハッピーエンドだったのでしょう。

だけど彼女の身近な人たちや直接送り出した人たちにとっては、生き残ってしまったからこそ胸が締め付けられるような思いが拭えないでしょうに。

そんな切ない余韻が残るSF物語でした。

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