白熱の戦闘描写が彩る、壮大なSFファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
人類が宇宙進出した近未来世界が物語の舞台となります。主人公の本坂ヴィクターには前世があり、自分が誰かは分からないが、二十一世紀初頭の日本人としての知識を持っているという、SFでありながら読者に優しい設定です。
ヴィクターの両親は有名なダンジョン探索者でしたが、物語開始早々、不幸な出来事が起きてしまいます。そして、ヴィクターは両親の影を追いながら飽くなき強さを求めるダンジョン探索者へと成長することになります。その黒いとも呼べそうな執念がありありと伝わってきました。
ここで本題の戦闘描写なのですが、モンスターの群れに対して相当アクロバティックな動作で次々と倒していき、躍動感がありました。動作を細かく描写されますが、それでいてクドさはなく、「動」を感じ、とても良いバランスでした。
このレビューは、第三章まで拝読したところでのものとなります。ここまでの物語はダンジョン探索が主題となっていますが、あらすじによると、徐々に日本、世界、宇宙へと舞台が広がっていくとのことです。壮大なSFファンタジーをこの先もまだまだ見逃せません!