近代日本に転生しました

語弊のあるひとこと紹介ですがめちゃくちゃ褒めてます！！！

正直、政治や国際情勢など、社会の分野には疎いのですが、めちゃくちゃ面白いですね。

転生といっても、異世界ファンタジーとは一味違って、タイムスリップみたいな感じでしょうか。そこから歴史を変えていく。
読んでる感覚的には「気付いたら変わってる」んですよ。ご都合とは感じない、納得感のある歴史改変に唖然とするばかり。

そんで少しだけ歴史に興味まで湧いちゃったりして。知識とは元来面白いものだったと思い出させられます。

圧倒されてアワワ……しか出ないところ、頑張って言葉を捻り出してみました。
皆様読んで！

日米開戦を避けるために、歴史改変するとしたら、どう動く？
テーマはそれなんだけど、読んでて感じるのは、「チートの気持ち良さ」です。

幽霊から神様の意向で転生させられた主人公が、未来を知っているから、チートな知識で動いて、戦争回避へとつなげるんですが、その動き方が、はんぱない！

まるで歴史が、チェス盤のよう。

味方になってほしい人材がいたら、その人材が人生落ち目の時に、恩を売るように近づく。
そしたらね。
黄色人種を差別するような人物でも、主人公（日本人）の味方になるんです！！

主人公の動き方が、縦横無尽。歴史のピースを、はめる、というより、チェス盤の駒を弾いて盤外に落として、好きに組…続きを読む

最終的に核爆弾が落とされて戦争に敗北した日本。
その未来を回避するために幽霊の新居千瑛が転生して八面六臂の大活躍……というよりは。

歴史とはそこに至るための必然があり、その流れを変えることで最終的に目的地にたどり着く。
学校の授業などではあまりやられることがない、20世紀前半、世界のあちこちで何が起きていたのかを知ることが出来つつ、そこに介入する千瑛ちゃんの活躍が楽しいです。

さくっと読める作品でありながら、作者の歴史への造詣の深さにも驚かされます。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（14文字）

いや、日米開戦なんて国家戦略なきエクストリーム自殺、むしろ史実通りに実行する方が難しいわ！と思ってるそこの俺ら。
小説より奇なる史実をぶっ壊すニーチエさんの暴走っぷりを堪能していただきたい。
そこんとこ掘り下げたら長編一本書けるくね？という数々のアイデアを明後日の方から食い散らかされた世界の明日はどっちだ！？

歴史の知識が豊富な作者の目のつけどころが光ります。歴史改変のために、重要人物や出来事の分岐点などに影響を及ぼして、いかに支配して操るか？　見事な手腕をご覧ください。

世紀末から第二次大戦に至るまでの世界の歴史がよくわかります。
歴史入門者にとくにおすすめです！