〝それ〟は大いに悩み迷い進む。〝いま〟は奪われたものを取り戻すために。

貴族の子として産まれ、天より祝福を授かったとされる少年リチャード。
幼き頃より幾度となく堕天使に命を狙われる〝それ〟の目的は、かつての己の力を取り戻すことだった。

二十歳になるまで生き、良い子でいなさい。

「原状復帰」の為にその言葉に従うリチャードを、守護天使サイモンは嗤う。

「シエル様の命令だ。二十歳までは守ってやろう――」

黒は敵。白は違う。
そう口にする彼の庇護下の元出会う、守るべきもの、かけがえのない友。

多様で、複雑で、興味深い……そんな人の世で〝それ〟はリチャードとしてなにを見つけ、なにを得ていくのか。

この冬オススメの物語です。