Ⅳ.先生の想い

第19話

「嘘、」





「分かってるよ、だから嘘なんだろ……中野?」






恥ずかしくて死にそうだった。





まさか酔いに任せて告白するとかあり得ない。





真っ赤な顔で泣きそうになっているあたしを見て、先生は怪訝な顔をしている。





「中野?…オイ、」





呼びながら、手を伸ばしてあたしに触れようとする先生から逃れた。





「どうし…」





「ヤダ、来ないで下さいっ、」





一歩ずつ後ずさる。





(恥ずかしい、情けない、あり得ない!)





「なに泣いて…」





「泣いてないですよっ」





あたしは一歩ずつ後ずさり、先生は一歩ずつ近付いてくる。

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