第5話
今すべき事は、パニック起こしてる場合ではないという事。
幸か不幸か、このベッドにはあたし1人。
どうやら、風呂場と思われる場所から聞こえてくるシャワーの音は、ここの住人が使っているに違いないと思われる。
(出ていくなら今、じゃない?)
思い立った瞬間、あたしはベッドから飛び起きて、回りに散乱している自分の服をかき集めて着ていった。
そして、抜き足、差し足、忍び足で玄関に進み、ハイヒールを履く。
玄関のノブを握った途端、シャワーの音がやんだ。
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