第6話

(ヤバイ!)





あたしは、慌てて扉を開け一目散でその部屋を飛び出した。





ハイヒールが鉄の階段に響いて高い音をたてる。





近所迷惑な音だと思いはしたが、ここで歩みを止めるわけにはいかず、ひたすら走った。





回りの景色を見る余裕もなくひたすら走って、ようやくあたしは足を止めた。





顔をあげた途端、眩しいくらいの朝日が目に飛び込んできた。





山の稜線に掛かる光は、まだ早い時間を示している。




「どこ、ココ」





改めて回りを見回す。





両脇をブロック塀で挟まれた路地は、目印になるものも見当たらない。





「先の大通りに出れば場所分かるかなぁ」





少し先に見える通りに向かって歩き始める。

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