第22話

「…反則だろ、その顔は」





先生の呟きが聞こえたのと同時に、あたしの唇に何かが触れた。





柔らかくて、温かいもの。





(…!?)





それが先生の唇だと認識した瞬間、あたしは顔を背けた。





けれど先生の大きくて、長い指が、あたしの顎を支え歯列を押さえた。





舌先を覗かせ、歯列をなぞる。





「先生…ッ…」





声を塞がれるように、深く重なる唇。





ゆっくりと口内をなぞる、先生の舌先。





(ヤダッ…どうして!?)





今まで経験したことのない感覚に体が包まれていく。

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