大罪の英雄

何もないところから火や水を生み出したり、空を飛んだりといった、不思議な力―――「異能」

ある日を境に多くの者が「異能」を使えるようになった世界。「異能」は人々の生活をより豊かにした反面、犯罪などに悪用されるようにもなってしまっていた。

「異能」を用いた犯罪を起こした場合、罪状とその者が持つ「異能」の危険度によって閉じ込めておく監獄を五つの段階に分けていた。

ほとんどの者がステージ１、もしくは２の監獄へ送られる中、シエル率いる『星獄幻狼』はその内のステージ４―――複数の国を滅ぼす可能性がある者達のために用意した監獄へと送られていた。

厳重な警備の中、のんびりと過ごしていた彼女らのもとに、とある『依頼』が舞い込んできた。


その内容は―――「隠し子」の護衛。


これは一つの『依頼』から始まる、悪たる英雄が送る物語。