概要
疱瘡神の百禍を、君は刻む
高校二年生の僕、成瀬川るるせは友人の蘆屋アシェラさんに連れられて茨城県の助川町に降り立つが、呪術で町に閉じ込められてしまう。僕はその町で、シリアルキラーの白梅春葉と出会う。この町では疫病が流行っていて、アシェラさんはそれを解決しにここまで来たみたいなんだけどいろいろな人物の思惑が絡み合ってきて……。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この小説はファム・ファタールである
この小説の良さを言い表す言葉を考えていました。
「眩惑」
これがぴったりなように思います。
特徴的なキャラクター、テンポのいい掛け合い、ぐちゃぐちゃなのに破綻しない構成。
小説を彩るのは衒学知識、しかしそこにはしっかりと芯が通っており、たしかな教養が見受けられます。
また文章の質感が良く、それが突飛な構成を支えているのだと思います。
小説を人体に喩えたとき、
構成は骨、ストーリーは血液、知識やテーマが内臓、そして文章が皮膚です。
この小説は、他の人間とは明らかに違った形を持っているのに美しい骨格に、内臓と血液をありったけ押し込み、見目麗しく滑らかな皮膚で覆っている、そんな小説です…続きを読む