第5話愛と応援する意味

そんな生活にも長くは続かなかった

彼女は交通事故にあった。

すぐに駆けつけた救急団員によって

命は取り留めた。病院に入院し

彼女のお見舞いのため会いに行った

そして彼女に話しかけた。そこで知った

彼女は過去の記憶を忘れてしまった。

なぜ入院したのかその記憶の前から

何も覚えていない。

そう告げられた。

記憶障害を起こした。

あの時なぜ自分はあの場に

いなかったのだろうそう思った。

彼女と別れた次の日の朝。

道路に飛び出した子供も救うために

助けに行った。それはその子供の

母親から聞かされた。

必死に救おうとした結果が

招いた事。もっと早く家を出ていれば

彼女を救えたかも知れない。

あの時何も出来ないかった自分が

情けなかった。

また恩を返す事が出来なかった。


彼女は誰か困ってたら後のことは

考えない。あの時そう思った。

それはいい意味でも悪い意味でも


彼女をあいつと呼ぶのは彼女自身の口から

名前を聞いていないから。

もし聞いていれば記憶がなくなった

今でもすぐに名前を教えてあげられたのに。


あのたった1日でこんな形で再会するなんて

思っても見なかった。

何も覚えないから今は仮の名前で

生活をしている。

記憶はいつ思い出すかも分からない。

そんな苦しい葛藤と戦っているのは

尊敬でしかない。


だから俺は応援する事にした。

あの時言えなかった心の叫び

気持ちをストレートに。

恥ずかしいなんて言ってられない。

俺が彼女が好きなのにはあの時から変わらない。

もし彼女が記憶障害を起こしていなかったら

また俺の生活も変わっていたのかも

知れない。

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