第3話過去の現実

俺は両親に捨てられた。

借金を膨らまし始めた頃から

父親の酒癖も酷かった。

それっきり父親とは会っていない。

それっきり家には帰って来る事は

無かった父親と不倫関係を持ってた母親


母親も別の男性と交際して妊娠した

って。それが母親の最後の言葉だった。


昔から暴力的だった兄。

いつもストレス発散のために

サンドバッグ代わりになっていた。

一緒に暮らした兄は自分の役に立たないものには暴力を振るっていた。

それは身内にも例外じゃない。

兄が変わってたのは、両親が姿を消してから

兄は力こそ強かったけど

昔は優しい一面もあったのだ。

両親が自分を捨てたのが気に食わなかったのだろう。そんなきっかけもあって

家に帰っても誰も居ない。

俺にとってはそれが当たり前に

なりすぎていて、何も疑問にも思って

なかった。

そんなある日、彼女に出会った。


あなた傷だらけ。

服も汚れて所々破けてる。

どうしたらこんな風になるの?

私はあなたみたいな子初めてよ。

あなた一人?家族の迎えは?


いない。誰も。

俺は捨てられたんだ。


ごめんね。なんか私そんなつもりは

なかったんだ。

じゃあさ。私の家に来なよ。

あなたお腹空いているんでしょ。


平気だ。元気だし。


ダメだよ。お腹は正直なんだから。


あの時あそこで出会いがなれけば

俺はどうなってたんだろうか。

彼女はあの時の記憶はないんだろうな

あの時より見た目も随分変わっちゃたからな


そう言えば公園を通るたびに

馬鹿にされたり、生意気とか言われて

蹴られたり、殴られたり、

両親の噂が流れたりしたなー。

あの子以外に話した記憶はないし、

それとも有名だったのかなぁ俺の家族。

あの時深い疑問すら思わなかったなー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る