2018/12/2 23:30:15

 突然夫の実家で夕飯を食べることになった。義母は少し押しつけがましいところはあるが、無理やり言われたわけではない。夫が勝手にOKしてしまった。どうして勝手に決めるの、と言うと、だってさ、と彼はこともなげに言う。


「冷蔵庫空っぽだしさ、りの(←わたしの名前、もちろん本名ではない)、何も準備してないだろ? ちょうどいいじゃん」


 そうだ。今日は寝坊してしまい、あわてて洗濯機を回せば脱水がうまくいかず(業者さんに見に来てもらったこともあるが、故障ではないと言われた)、そのあと部屋の掃除をするのに時間がかかってしまい、そのあと、こたつに入ったらうとうとと眠ってしまった。私が掃除しているあいだに、夫が買い物に行ってくれたらよかったのに、と思う。けれど仕方ないのだ。夫は週五日、正社員で働いていて、私は週3のパートだから。「家事をしてくれない」と文句を言ったとき夫の顔に現れる少しのめんどくさそうな表情を、そういう意味に受け取ってしまう。

 義実家の夕食は、チーズ入りのチキンカツ、ポテトサラダ、味噌汁とご飯だった。こっちにどうぞと椅子を案内されて、あとから隣に座ってきた夫が、え、もう食ってんの、と言ったので、義父も義母も席に着かないうちに、自分がもうカツにかじりついてしまったことを知る。いいのよ、と義母は笑ったが、少しだけびっくりしたような顔をしていた。


「りのちゃん、ほんとによく食べるのねえ」


 今日までの支払いを忘れていたと嘘をついて、義実家を抜け出し、コンビニのトイレで吐いた。


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