2019/1/25 01:14:30

 夫が二週間も出張に行くことになってしまった。食べ物のことで喧嘩したり(というかわたしが勝手に怒ったり)、こっそり食べなくていいと思うと解放感があったが、そのぶん、食べすぎたり吐いてしまうと思うと怖かった。固まってしまったわたしに、急でごめんな、行くはずだった人がどうしても別件のプロジェクトに入らなくちゃいけなくて、と説明していた夫は、あまりにもわたしが無言なので浮気でも疑われたと思ったのか、最後には会社からもらった旅程表まで見せてくれた。最終的に怒ったというよりは呆れた声で、仕事だから行かなきゃなんだよ、不安だったらパソコンでもスマホでも見ていいよとなかば投げ出すようにスマホを机に置いてお風呂に行ってしまう。あわてて追いかけて、ごめんね、ごめんね、わたしのこと許してくれる? と言うと夫は、いやべつに、許すとか許さないとかじゃないよ、と何事もなかったように言う。


「……寂しいの?」

「……うん」

「電話するからさ」

「……、うん」


 トータルしてこれを寂しいと呼んでいいのかは、わからなかった。わからない、わからないと思うたび、ミチちゃんの書き込みが脳裏によぎり、そして、またおなかが減る。


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