2019/1/18 23:27:33
四時ばばあを見てしまったかもしれない。
最近、吐けずに寝落ちしてしまうことが増えた。顔はむくみ、体重は増えている。夫に、少し太った?と言われてまた泣き狂ってしまった。
昨日の夜も、夫が寝たあとこっそり別の部屋に行って食べ、こたつで寝てしまい、目が覚めてはっとした。吐かなければ、そう思って立ち上がり、寝起きでよろめきながらトイレのドアを開け、る瞬間にはっと気づいた。さっき暗闇の中でスマホの画面表示が、03:59を示していたことを。
すぐドアを閉めたが、見えた。トイレの隅、たしかに四時ばばあはいた。はだけた胸もとはがりがりに痩せた着物姿で、髪はざんばらで、目はぎょろり。血が出ているかは、暗くてわからなかった。悲鳴こそ上げなかったが、廊下に座り込んでわたしはしばらく動けなかった。
そのうち眠ってしまっていたようだった。起きてきた夫が廊下で座ったまま寝ているわたしを見つけて、うわあああ、とそれこそ化け物を見たような悲鳴をあげた。
「えっおい、大丈夫か?」
意外にも心配そうな声だった。寝てた、と言うと、はあ、とわかったようなわからないような声を出す。理解の範疇を超えてしまったのかもしれない。わたしにも、もうよくわからない。結局吐けなかった。そっとトイレのドアを開けると、四時ばばあはもういなかった。
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