4月28日 日曜日 快晴

 トーストを焦がした。

 焦がした、といっても取り返しのつかないほどの焦げではないので、そのまま朝ごはんを作る。

やってしまったなぁと思いながらも、パンを焦がすのは初めてだったので少し楽しく思う心持ちもあった。フライパンで焼いているのだが、あの蓋を取ったときの、こんがりとした匂い。手鍋で焙煎しているときの焙煎香を思い出す。

 ふと、昨日仕込んだコーヒーのことを思い出した。昨日はいつもより少し深めの豆でコールドブリューを仕込んだのだ。丁度いい。

 いつもよりこんがり焼けたトーストと、いつもより少し深めの豆のロースト感のペアリング。コーヒーに少し救われた気持ちがした。

 実際に食べてみると、少し焦げた苦味があるが、コーヒーの苦味と中和して、やはり丁度いい。

 外に出ると、太陽の光がこんがりと照りつけていて、こちらもこんがり焼けてしまいそうだった。

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