4月24日 水曜日 曇りのち雨

 風の強い日だった。日当たりのよくない我が家では、天気はわからなくても風の強さは音でわかる。すごくごおごおとした風の音が響いていた。

 そんな外界の気候とは関係なく、今日は飲むコーヒーをあらかじめ決めていた。

 昨日の2軒目で買ったエチオピアのアナエロビックナチュラル、グレープ系のフレーバーと書いてある。

 最近、朝にバタバタとしていることが多かったので、ゆっくり朝を過ごすことができるのは久しぶりだ。

 いつも通り、目が覚めて歯を磨く。せっかくの休みなので、シャワーを浴びて、花の水を替える。いい一日にするためのモーニングルーティン。今日は朝ごはんを作った。外出の用事があったから、しっかりお腹にいれておく。

 ここまでのルーティンで1時間ほど。決して短くはないが、慣れてきたものだ。

 新生活が始まって一か月程、はじめは不慣れだったことが慣れに転じてくる。大学院の授業、駅までの徒歩の経路、大阪駅の複雑な構造、狭いユニットバス、モーニングルーティン。慣れが生じると余裕が生まれる。余裕が生まれると、怠けが出てくる。この時期の怠けは厄介だ。全体を見据えるとまだスタート地点にいるのに、わかった気になる。わかった気になると、スタートで躓く。スタートで躓くと挽回するのは難しい。

 考えがここまできたところで、コーヒーが落ち切った。ここのロースターの豆を淹れるのは初めてだったので、まずは同封されているお店のレシピをそのまま使用した。

 口に含んでみると、ドリップのときから漂っていたグレープらしいアロマが口中にひろがる。ひろがる、というよりも迸るというほうが正しいかもしれない。それくらい最初のインパクトが強かった。ワインとコーヒーを売っているロースターだからか、その先入観からか、ボディ感や発酵感にややワインのようなものを感じる。それでいてすっきりとした爽快感もあるので、スパークリングのような印象も感じられた。以前飲んだランブルスコを思い出す。

 中々そういう印象のコーヒーには出会わないので、これは不慣れなコーヒーだ。

 生活に慣れがでてくると、不慣れなことが新しくはじまる。そんな新生活を送っている。

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