このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(641文字)
ひとのからだの味、春の眺め、死の予感、散歩で踏みしめる足。虚構の主人公が感じている内容が、言葉を通して、すべて脳内で蠢動する書き出しです。特に、タイトルから続く「HA」の短い耳鳴り的な音が連続する感覚が印象的でした。文学というのはこういう体験をいうのかもしれません。
男性視点の別れた女に対する想いが描かれています。普段女性視点の物語を読むことが多いので個人的に新鮮でした。文学の香りをかぎたい方におススメです。
もっと見る