変則布石でネット碁八段になった私が、これまでの囲碁歴を振り返る

サンダルウッド

1.「それってさぁ! 四隅相手に打たれちゃう…ってコト!?」

 皆さんこんにちは。サンダルウッドと申します。

 

 私は趣味で囲碁をたしなんでおり、棋力はネット碁八段です。自分で述べるのもどうかと思いますが、それなりに風変わりな性格の人間だと思っています。

 Twitter(X)で繋がっている方などはご存知かもしれませんが、私は常日頃【儀式】と呼んでいるオリジナルの戦法を用いて対局しており、その儀式を使ってネット碁で八段まで到達しました。利用しているネット碁は東洋囲碁と野狐囲碁です。


 どちらのネット碁サイトも最高段位は九段なので、八段はかなり上位であると言えます。アマチュア碁打ち全体の中でそこまでのランクに到達する人の割合はそこまで高くないでしょう。


 とはいえ、自分は何か大きな大会での輝かしい実績があるわけでもなければ、元院生(プロを目指して訓練していた人)でもありません。

 強いて挙げるとすれば、今はなき宝酒造杯の六段戦(全国大会ではなく地区予選)で準優勝したことや、都内各地の小規模な市民大会で優勝や準優勝したことがある程度です。朝日アマ名人戦などのいわゆる“ガチ勢”御用達の大会では余裕で予選敗退するレベルです(本戦に進んだことも数える程度はありましたが、むろん初戦敗退でした)。


 畢竟ひっきょうするに、「人並み以上ではあるものの、“ガチ勢”には遠く及ばない程度の実力」と言うのが正確でしょう。

 正直なところ、私程度の実力の方はたくさんいます。履いて捨てるほど、という表現を用いるほどにアマチュアの囲碁人口が多いかどうか定かではありませんが、要するに特段珍しくもないわけです。東洋囲碁八段や野狐囲碁八段という肩書きも、TwitterなどのSNSを覗けばそれなりに見かけます。


 しかし、これだけは言えます。

 私のように、、と。

 空き隅に打つことを放棄して意味不明に石をばらく【儀式】は、一般的あるいは客観的に考えてネタの域を出ないとするのが妥当でしょう。


 去年、Twitterにてとある方が「よくあんな舐め腐った打ち方を対面でする勇気があるものだ」といった旨のツイートをされていましたが、まさしくその通りだと思います。

 いや、別に勝つ気がないとか相手を馬鹿にしているとかそういった感情はないのですが、冷静に分析すれば最も妥当な反応であろうと思います。

 余談ですが、一度も交流したことがないにも関わらずその方からはTwitterでブロックされていたので、よほど儀式が――あるいは私の人間性も含めて?――お嫌いだったのでしょうね(笑)


 Twitterの話が長くなりました。

 囲碁を知っている方もそうでない方も、私が日頃からいかに尋常ならざる戦法をとっているかということがお分かりになったかと思います。

 そのような観点で、自分はそれなりに希少価値のある存在ではないかと不遜にも考えているわけですが、冒頭で述べたように私はただ趣味で囲碁をやっている変わり者に過ぎず、インストラクターのような肩書きがあるわけではありません。


 しかし、囲碁界隈はとにかく狭い。狂気じみた戦法を長年続けているうちに様々な人とのご縁があり、私が変則布石で――エンジョイ勢にしては――それなりに力があることを知る人も増えてきました。

 その結果、インストラクターでもないのに都内の碁会所で囲碁講座の講師を――しかも二度も!――させていただいたり、「ぜひとも私の指導を受けたい」というDMを頂戴して対面で指導対局を行うなど、私という存在に価値を見いだしてくれる方が徐々に増えてきたと言っても差し支えないでしょう。


 少しずつ需要が増している――などという表現は自分で記すと薄ら寒いものがありますが――中で、これまで特段私との交流がなかった人でも、密かに私について興味を抱いている人がいるかもしれない。あるいは、すでに知っている人の中にも「もっと知りたい」と感じてくれている方がいないとも限らない。

 ということで、本エッセイでは私が囲碁を始めてから現在の棋力に到達するまでの遍歴をつづっていきたいと思います(もしかしたら、上達のヒントになるような話があるかも……!?)。

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