佳き、悪夢。


黒と金の、あるいは夜のいろの、わるい夢。

その白い少女は端正に座して、わたしに背を向けて座るふたりの間からちらとこちらを見遣って、妖婉の笑みを浮かべて。
どうだ、心地良くはないかえ、って、尋ねるのです。

わたしは首を振ります。いけない、いけないって。
振るのに、動けない。
動くことを、わたしの髄がゆるさない。

取り込まれて、少女たちと過ごす時間は、きっとあなたのいのちのどこかに、藤色の傷をつくることでしょう。
あまりに美しい、佳き悪夢の記憶として。