一体何を読まされてるんだろう。これはPから始まる叙事詩である。

何この清々しい敗北感。
敗北? いやいや、僕は負けていない。勝ったのは一羽のペンギンであり、チャールズという名のポジティブの塊だ。彼が勝ったのだから清々しいのだ。

一羽のペンギンがつがいペンギンに言われた一言が、すべての意識に変革をもたらすお話。
これは神話であり、一遍の詩であり、言葉でぶん殴ってくるようなポジティブの塊である。
何言ってるかわからなくなる。自分が? ペンギンが? そんなのはどうでもいい。物語はすでに始まっているんだから、こちらも一緒に駆け抜ければいい。
言葉を読む面白さを一羽のペンギンが教えてくれた、そんな心地よい敗北感をご堪能あれ。

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