陸族館の中も世知辛い世の中なのか。

視点を変えるだけで、実は何も変わらない日常を描いた小説。
ある意味、この文章体は極小単位の私小説なのだが、そこに僕たちニンゲンがとやかく言える立ち位置はすでになく、ただペンギンの私生活のひとかけらを見せられるだけ。
だがそれがどうしてここまで興味深くて知識欲を刺激されるのか。
視点を変えただけの日常の小説です。でも、読み終えた時に読み手はニンゲンか、あるいはペンギンか、迷うかもしれない。それくらい不思議でおもしろい。