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- ★★★ Excellent!!!成長信仰と少子高齢化を問い直す哲学的エッセイ
「マンボウとユートピア 〜 少子高齢化社会は不幸か 〜」は、マンボウというユニークなモチーフを通じて、社会的問題を哲学的に掘り下げた興味深いエッセイです。特に、マンボウの生態と人間社会の少子高齢化を対比させながら、現代社会の「成長信仰」や「社会的処分」といった問題点に鋭く切り込んでいます。マンボウの存在そのものを「癒し」と感じる著者の視点は、個々人の幸福や社会の豊かさとは何かを考えるヒントを与えてくれます。
経済成長を「ねずみ講」とする鋭い比喩や、ライフサイエンスの進歩によってもたらされる未来への期待と警鐘が効果的に描かれており、SF的な視点も織り交ぜられている点が非常に興味深いです。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「前進し続けてもよいのか?」という疑問
終わりの象徴のように語られる「少子高齢化」問題。
成長しているはずだが、理想郷からはかけ離れているように見える現状。
結局、正しいのか? 間違っているのか?
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GDP(国内総生産)の原案を考えたとされる経済学者サイモン・クズネッツは「GDP形式はあくまで一指標であり、依存しすぎるべきではない。経済成長の尺度とするのは間違った考えである」と述べている。
しかし現に国の勢いを示す尺度にはGDPが用いられ、それが「現状維持=堕落・怠慢」という強烈なプレッシャーを、世界中にばらまく結果となった。
本当に放っておくとまずいのか?
手を加えた方が悲惨なことにならないか?
か…続きを読む