現代的な感覚で描かれたサイバーパンク。

サイバーパンク世界で最底辺の街、ボトム。そこへと落とされた娼婦のリサはクラッカーのトオルとともに最悪の世界に反撃する――――リサとトオル、ふたりの主人公の人生は読んでいて辛いし、鬱屈した気分になりますが、そのふたりを主人公に据えたことでドラマを立体的にしています。また鬱もこの作品のキーワードです。たしかリリー・フランキーが「鬱は大人の嗜みですよ。それくらいの感性を持ってる人じゃないと、俺は友達になりたくない」と言っていたことを思い出します。真に現代的なサイバーパンク作品と言えるのではないでしょうか。