このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(263文字)
とある記憶喪失の男が、自分の役割を思い出すまでを描いた短編作品です。どん詰まりは視界を狭め、偏った情報は不正解を正解として導いてしまう。されど、成した行いだけは残された。終わるべきであった歴史は当たり前に終わりを告げたが、立場を変えた終わりは対面者にすら迫りつつあった。理解による和解は、新たな道を紡ぎ出すのか。ぜひ読んでみてください。
絶海の孤島で何もかも分からなくなった男、そこに少女が現れ、物語は始まる。淡白な印象を華麗に裏切る、ひねりの効いた作品。さいご、強いイメージ喚起力があります。SFとしても悪くない仕上がりです。