魔王様は勇者とセフレになりました

魔王ゼオルト・グランは疲れていた。

魔族と人類の戦争が始まって四百年。
もはや戦争は形骸化し、魔族も人も小競り合いしか起こさない。

しかし、歴代魔王の力と記憶を受け継いだゼオルトだけは違っていた。
彼は小競り合いの現場に赴いては、その強大な力を人類側に振るっていた。

ゼオルトは魔族側におけるヒーロー的存在だった。
だが、人類側にも同じような人間がいた。

赤き髪の勇者マイシァ。
歴代の勇者の力と記憶を受け継いだ彼女は、毎回ゼオルトの前に立ちふさがった。

魔王になって二年、彼は毎日勇者と殺し合いを続けては引き分けていた。
さらに、その日に至っては一日四回も勇者と殺し合う羽目になった。

疲れ切った魔王は変装して辺境の酒場に繰り出す。
そしてそこで出会った蒼い髪の女性と意気投合して、最終…続きを読む