とんでもないクオリティ。一回、プロローグ読んでみてよ。

やばい。クオリティがエグイ(語彙力喪失)。
一旦、プロローグだけでも読んでみて欲しい。

舞台となるアメリカの背景知識というか、文化の描写があまりにも自然で、海外文学を読んでいる時と全く同じ気持ちになった。自分の知らない異国の地が、作中に人物にとっては日常でしかない、あの感じ。


なにより圧巻なのは、作者のセンス。「そのハミングは7」というタイトルを見た時点で「なんか他とは違うぞ?」とわくわくしたが、その期待通りどころか、はるかに超えてきた。
作中のなんでもない、描写やセリフ、ワードの一つ一つに作者のセンスが込められてて、どうあがいても真似しようのないプロ作家の何かを感じた。


なんというか、無料で読めるのが申し訳ないすらある。普通に書店で購入してたとしても、余裕で大絶賛のクオリティ。


そして、読み終えた後、「鍵を拾った話をしよう。人は誰しもある意味盲目である。」というフレーズの完璧さに感心してしまった。あまりにもこの作品のことを言い表している。


読者の心を温かくしてくれたり、落ち込んでる人が再起するきっかけを与えてくれたり、そういう読者の人生に影響を与え得るパワーが本作にはある。


WEB小説の主流でないことは理解しているが、どうにかして届くべき人に届いてほしいと願うばかり。

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