児童書でポストアポカリプスもののSF⁉

滅亡した世界に残された地下シェルター「東亜ドーム」に暮らす子供たちを描く本作。
とても、子供向けとは思えない設定だ……

しかし、実際に読んでみると主人公の性格から細かな文体に至るまでしっかり児童書ナイズされていて驚いた。
まさか、児童書とSFがこれほど共存できるとは。

ディストピアみのある世界観にクローン人間と普通に考えればとんでもなくシリアスになりそうな設定なのに、軽快な読み心地で子供向けという意識をすごく感じた。

それでいて、世界や人類に目を向けさせるメッセージは決して幼稚ではない。なんなら、むしろかなり壮大な視点の作品ですらある。

初めはシンプルに感じていた「マイジェネレーション」というタイトルも、作品のラストまで読み終わった後には物語全体を的確に言い表す良いタイトルだと思った。

登場人物たちの愛らしさとシリアスなSF設定が絶妙なバランスでまとまった一作です!