本作の主題は、過去の自分に手紙を送るならどうするか。作品は、その手紙そのもの。解説は一切無し。その手紙は希望に満ちています。読んでいて、送り主の前向きな姿勢に力をもらえます。しかし。過去に手紙を送るということは、過去の自分が知らなかったことがあるということ、時間が戻らない世界の理に背かなければ取り戻せない何かがあったということ。想像してみましょう。取り戻せない何かがあった人間の心中を。それは手紙そのものには書かれていません。読むと希望と後悔が二重写しに見えてきます。人の希望に対峙する、時の厳しさが裏の主題です。
過去の自分に声をかけられるのであればなんで声をかけよう。あーしてほしい、こうして欲しいなんて要望ばかりになりそう。でも今の自分から過去の自分にはとにかくエールしかない。奮い立たせてあげるのも自分しかない。いろんなことを考えささられる作品。今大変でも大丈夫、なんとかなる!素敵なお話です。
伝えてあげたい気持ちを素直に純粋に正直に飾らずにありのままに声かけてしてあげてる。だからなのかもっとそれ以上のものがあるのか作家でない私にはわかりません。ただ感じた事、心に温かみを感じました。ずしっと深く深く。
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